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アロー逝去

 ケネス・J・アロー教授が一昨日、享年95歳で亡くなられた。まさに巨星墜つ、である。3月8日に同氏の旧著の翻訳『組織の限界』(村上泰亮 訳)が、ちくま学芸文庫から出版されるが、わたしはそれにささやかな解説を寄せた。できれば解説の末尾に追悼文をもぐりこませたかったが、すでに印刷が済んでおり、できないようだ。

 今回あらためて村上泰亮の訳文を再読して、この格調の日本語は、いまの日本人は誰も書けないだろうと思ったりした。わたしは自分の書く日本語を、「村上春樹以後」のものだと思うし、ラノベがよく売れる時代の日本語だとも思う。村上泰亮のとはまったく似ていない。もちろんそれでかまわないし、わたしなりに「いま」の時代の日本語を書いてみたい。

組織の限界 (ちくま学芸文庫)

組織の限界 (ちくま学芸文庫)

 

 そんな作文意欲に動かされて新著を作成した。『ミクロ経済学入門の入門』という。予定どおり工程が進めば4月22日に、岩波新書の一冊として公刊される。わたしはすでに脱稿しており、いまはイラストレーターさんが多量の図表を作成している。

 なんだ「入門の入門」とは音が悪い、と思われるだろうか。たしかにそうかもしれない。でも字面は良いと思う。視覚的なインパクトがあると思う。タテ書きのミクロ経済学の新書で、非常に薄い。第1章は「僕はコーラが好きだ」という一文からはじまる。