横浜マラソン後半

 私レベルのへなちょこランナーだと、フルマラソンでは、心肺はきつくない。心肺がきつくなるのは速く走るときであって、フルだと速く走れないからだ。全身疲労は激しいが、息は上がらない。ヒィヒィ言わないぶんシラフでしんどい気もする。

  • 35km 6:46 まだ7分以内で走れている。歩きたいというか、止まりたい。
  • 36km 6:54 ああ、ギリギリ7分以内。止まりたい。
  • 37km 6:38 ちょっと持ち直した。とにかく4時間20分を切りたい。
  • 38km 7:06 ああ、やばい。止まりそう。残りまだ5km以上ある。
  • 39km 6:33 なぜ止まらないのかよく分からない。
  • 40km 6:49 無の境地。
  • 41km 6:37 抜かされてばかり。
  • 42km 6:53 街頭の声援を力にする力がない。
  • 42.48km 3:10 ラストスパートをかける余裕など残ってない。ゴールゲートをくぐるとき、ガッツポーズはしなかった。初めてフルを走った袋井では、自然と両手が上がったのに。心のフレッシュさも余裕もなかった。4時間17分14秒。

 こうやって書いてみると、何が楽しいのかさっぱり分からない。だが、あらためて振り返ってみると、やはり実に楽しかった。いまも心は横浜マラソンの余韻に浸っている。

 36kmくらいのところだろうか。高速道路を下りてから、港湾地区の巨大な倉庫場のあたり(?)が猛烈にキツかった。岬の果て、倉庫場の先に折り返しポイントがあって、そこを折り返すランナーたちとすれ違うのだ。ああ、折り返している快走者たちがうらやましい。そのまだ見ぬ折り返しポイントに、自分は走れども走れども到達しない。まだ?まだ?まだ?まだなの? 永遠にそこに辿り着く気がしない。

 とはいえ一定速度で走っているので、距離が有限である以上、やがて折り返しポイントに到着する。行きは長く感じるが、帰りはあっという間だ。そのまま市街地へ。沿道には多くの人で賑やか。あいだみつを系の応援フレーズ(例「ここまで走ったキミの勇気が勲章」)を書いたパネルを掲げる人もいる。私は今日は激しく遊んでいるだけで、勇気も熱意も何一つ使っていない。

 ラスト3kmくらいだろうか、横浜みなとみらいは、よく知っているので「うへえ、まだあそこまで走るのか」と分かってハートを削られる。知らない街を走る方が楽しいのではないか。ああ、だが、来年もぜひこの大会に出場して、また苦悶したい。

 日曜に走ったので、超回復のため二日あけて、水曜の仕事後にジムに行き、横浜マラソンの参加記念Tシャツを着て軽めに筋トレした。インストラクターのお姉さんがTシャツに気付いてくれて嬉しかった。In Bodyで体内組成を計測すると、体脂肪率は8.2%だった。食事制限などいらないぜ。これまでもこれからも、豚骨ラーメンのスープを最後の一滴まで飲み干すつもりだ。