袋井フル42km(その1)

 12月12日(土)の夜、子供を寝かしてから妻に別れを告げ、小さなリュックを背負って新横浜駅に向かった。終電の新幹線に乗って、静岡県に行くためだ。翌13日に、静岡県袋井市で開催される、袋井クラウンメロンマラソンに出場するのだ。

 クラウンメロンは袋井市の名産で、その名を冠したマラソン大会である。なんとなく甘い響きの名称だから、身体にやさしそうな気がする。坂のアップダウンが多いと聞いたが、アップダウンも何も、私はフルマラソンおよび公道での大会は初めてなので「そういうものなのか」くらいにしか思わない。

 私は坂はわりと好きで、坂を走りながらよく、自分の脳内でないと歌えないうたを歌っている。それは「僕は坂井~、酒井じゃないからお酒は弱いけど、坂には強い~」というものだ。これをワンフレーズ脳内で歌い、「ふふふ、漢字は喋れないから、声に出しちゃうと意味が消えてしまうね」のように思うのが好きだ。

 全身アシックスで身を固めて、電車を乗り継ぎ、新横浜駅に到着。ちなみに全身とは、シャツ、ウインドブレーカ、シューズ、靴下、ジャージズボン、帽子のことだ。ファッショナブルかと言えば微妙だが、機能性は高いし、格好の一貫性はある。

 新横浜駅の新幹線ホームに立ち、終電の「ひかり」を待つ。これに乗るか分からなかったので、きっぷは自由席だ。そして、やってきた「ひかり」は何と満員状態。自由席は大混雑で、通路に人が立っている様子。そうか終電の新幹線はこうなるのだった。だが次の静岡駅までは37分、デッキの片隅に体操座りすることにした。スポーツウェアなので、こういうのが実にしっくりくる。体操座りのまま、新聞インタビューのゲラを修正した。

 静岡駅で「こだま」に乗り換え。こちらは座れて、すぐに掛川駅に到着。明日の初フルを前に、自分の気持ちが昂ぶっているのが分かる。改札を出ると、気を鎮めるためにコンビニで「週刊少年チャンピオン」を買った。宿に到着して、風呂に入って、荷物の整理をしたら、眠くなるまでチャンピオンを読みふけった。

 動揺したときに、チャンピオンを買うことが多い。いま『弱虫ペダル』は訳が分からない展開になっているのと、『刃牙道』は滅茶苦茶で、誌面がカオスである。キャラの濃さだけで話を作ろうとしていないか。いや、たしかにある程度は作れるのだ。うーん、私もこういう技術を使えるようになりたい。車田先生の『藍の時代』はもちろん発売日に買って読んだが、こちらはキャラというより、カタルシスを絶妙に入れる話の展開。こういう手法は学術的な本や論文でも使えるのではと思うのだが、「コンドルセサイクル」を「ギャラクティカマグナム」みたく用いるには発明が必要だろう。

藍の時代ー一期一会ー (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)

藍の時代ー一期一会ー (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)

  目覚まし時計をかけて就寝。事前に入念にウェアやグッズの準備をしたので、明日は朝食を採って、会場に移動して、走るだけだ。

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