書評やインタビューなど

 前回のエントリで「8月27日が締切」と言っていた岩波『科学』7500字ですが、その後、よく見たら今日(8月31日)が締切でした。なのでさっき書き直して提出しました。十分な字数をいただいたので、「コンドルセ陪審定理」(Condorcet Jury Theorem)に基づき、多数決で決めてよいこと・ダメなこと、党議拘束への批判などを論じています。確率がちょこっと出てくるので、読みやすいのか少し心配ではあります。

 同時に日経「経済教室」3000字を三年ぶりに書いています。昨日まで大学合同サマーワークショップに出ていて(今年は慶應が幹事校)、そこへ行き来する特急「踊り子」のなかで2200字まで草稿を書きました。最近、書くのが早くなった気がしますが、質的向上がなされているのか、よく分かりません。取材を受けるときメモ書きを多く作成するのですが、それが準備になっているのだとは思います。

 明日(9月1日)の東京新聞(特集記事27面)に、安保法制に関するコメントが出ます。よろしければご覧ください。これは手前味噌なのですが、民主主義を軸にするより、多数決を軸にするほうが、案外と政治的決定の正当・不当は語りやすいのではと思います。民主主義は理念で、多数決は制度で、制度のほうが「正しい使い方」の話がしやすいのではないか。「正しさ」に規範理論を組み込むこともできるし。まあこれは、あくまで私の雑感。

 それと、市販されていませんが、先月の週刊『教育資料』の「自著を語る」欄にインタビュー記事が掲載されました。教育系の業界紙です。校長インタビュー、法律相談、メンタルケアなど、完全に(小中高)教育者向けなのですが、こういう特化した雑誌は、それはそれで面白いです。『経済セミナー』も、もしかしたらこういう路線もアリなのでは、なんて思ったりする。「経済学部長訪問」とか「連載 わたしと官庁」とか。

 雑誌『ケトル』VOL.26で、米光一成さんから書評を頂きました。どうもありがとうございました。この書評じたいが一つの作品になっていて、実に「読ませる」のですよね。うまいなあ、と感心します。私も本屋に行って『多数決を疑う』を買いたくなる。私は書評を書くのがどうも苦手で、それ自体の作品性を持たせられない。訓練でできるようになるのか、よく分かりません。『ケトル』(や『東京人』)のようなライフスタイル系雑誌に載せていただけると、なんか「俺イケてる」的な嬉しさがあります。 

ケトル VOL.26

ケトル VOL.26

  • 作者: 工藤夕貴,Megu(Negicco ) ,武田砂鉄,河?直美,伊藤弘,南馬越一義,岸勇希,市川紗椰,西田善太
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2015/08/11
  • メディア: 雑誌
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東京人 2015年 08 月号 [雑誌]

東京人 2015年 08 月号 [雑誌]

 

 去る8月8日に東京MXテレビ「淳と隆の週刊リテラシー」にVTR出演しました。メールで出演依頼をいただいた4時間後くらいに、研究室からスタジオに直行して収録しました。普段着のボーダーTシャツに短パンだったので、先方は「ワイシャツを買ってきましょうか」と提案してくださったのですが、「アニエス ベーだしよいのでは」と言うと、最終的にそれでオッケーになりました。岡崎京子世代なのです。腰から下は映りませんでした。

 ちなみに僕のフランス人の共同研究者Olivierくん(ドバイ在住)は、気を遣う奴なので、agnes b をわざわざ英語読みして「アグネス ビー」と言ってくれます。こいつこそ真のグローバル人材なのだろうか。しかしフランス人としてそれでいいのか、それとも彼の意識は国民国家の枠などに囚われていないのか、よく分かりません。

岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ

岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ