二度目の3km

前回「一度目の3km」からの続き:

 

 本日二度目の3km走。スタート地点にはランナーが集まっている。暑い暑いという声が周囲から聞こえる。ではなぜ走るのか、おそらく彼らの多くは答えられまい。少なくとも私はそうだ。理由などない。何か目的があって走るのではなく、人生行きがかり上、結果として炎天下のなかそこに立っているからだ。こうして立ちあわせた人々と運命性さえ感じるぜ。

 後ろにいるベテランランナーっぽい女性が「手が痺れる」という。その仲間の男性が「熱中症の初期症状だ。走るのをやめた方がいい」という。もちろん彼女は「走るわよ」という。「いや、走るなよ」「いいや走る」「じゃあ、ゆっくりにしろ」「ゆっくり走るわよ」「ゆっくり走るのも練習なんだからな」 いったい何の練習だ。彼女の無事を祈りつつ、スタート。

 一度目は真剣に走ったので、二度目はのんびり走ることにした。心は「自然を感じようモード」だ。光る水面、繁る青葉、輝く太陽。美しい夏だ。ろくにタイムも見ないで3km走った。GPS時計の記録を見てみると、だいたい17分。それにしても暑い。汗が止まらないし、体温が高い。

 冷水を飲んで、塩飴をなめた。それでも体が熱いので、かき氷を買って食べた。サマーバケーションを表現すべく、オレンジとハワイブルーのシロップを半分ずつかけた。太陽が海に溶け合う太平洋を一杯のかき氷に表してみたわけだ。俺は観念で生きている。だが物理的実在でもあって、かき氷のおかげで身体の内側の熱さがやわらいできた。それから競技場の水道に向かい、首の後ろから冷たい水をかぶった。気持ちいい。

 それから自転車まで歩いた。今日はロードバイクで来たのだ。Specialized(スペシャライズド)というメーカーの、 Allez Comp(アレー・コンプ)という質実剛健なマシンに乗っている。車道を軽く流して帰宅。午後は予定通り子供を市民プールに連れて行った。小規模なトライアスロンをしているような気分だが、本物のトライアスロンは溺死する自信があるので手を出せない。

 日焼けして肌がひりひりする。いま自分は人生の夏休みなのかもしれない。子供が遊んでくれそうな夏の数を指折り数えるが、そう多くないだろう。来年の1月29日に10万字の原稿を提出する約束をしている。まだ1200字しか書いていない。他にも8月末に7,500字、10月には7,500 words(英文)と10,000字、11月には18,000字の締切がある。この間に、他に原稿を依頼されたら引き受けるだろう(遠慮なく頼んでくれていい)。自分の能力を過信しているし、身の程をわきまえていないからだ。どうするかではなく、どうなるかである。なるようになるし、なるようにしかならん。 

どうせこの世は成り行きまかせ

どうせこの世は成り行きまかせ

 
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