日曜日の雑記

 日曜の朝、大井の人工島にある陸上競技場まで、自転車で十数キロ行った。

 そしてハーフマラソンに出場した。曇りのはずの天気予報は、大外れで快晴。アスファルトの照り返しがキツくて気温が33度ある。とりあえずストレッチを入念にした。とにかく今日は急がず、ケガせず完走するのが目標だ。最初の10kmは抑えて、後半に伸ばす予定。スタート。

 競技場の外周3kmを7周という、きわめて地味なコースで、風景は単調というか埋立地。蒸し暑くて、脚が重い。熱中症にならないよう、かなり気を付けた。毎周ごとに、ひしゃくで真水を頭にかけてくれるが、これが気持ちいい。びしょ濡れになったシャツは半周ほど走るうちに乾く。

 あまりに暑くて、爽快感は無いし、ハイにもならない。最初の10kmを終えた時点で、この後ペースを上げるのは無理だと思った。脚が重くて体が動かないのだ。いつもだと10km走り終えても「多分あと10km走れるな感」がある。しかし今日はペースを遅くしているのに、10km時点でそれがない。これは多分、最近の自分の練習不足というより、33度ある真夏日のせいだと思う。ひたすら、しんどい。熱気が体にまとわりつく。

 さらに10-14kmのあたりで脇腹が痛くなった。これは初めてだ。たぶん水分補給が多いからだろう。意外とキツい。痛いのをかばって走ると、フォームが悪くなって、身体の他の箇所に徐々にダメージがくる。走ってお腹痛くなるの格好悪い。誰か僕を救ってほしい。

 徐々にお腹の痛みは無くなっていったけど、なかなかしんどい。歩きてえ。でも17kmのあたりで気持ちが立ち直ってきた。残りわずか4km。ただ、ラストスパートをかけたいけど、思うように脚が動かない。

 とにかく「少なくとも最後まで歩かなかった」は達成して、ゴールした。感激はない。やっと終わってくれたという感じだ。タイムは目標に全然届かなかったので内緒ですが、これは気温のせいにします。

 フラフラしながら木陰に入り、炭酸のオレンジジュースを買って350ml一気に飲み干した。フルマラソンは今のを続けてもう一度か、そんなもの走る奴らはどうかしてる、と心底思った。自分にはそれは絶対に無理だし、やりたくない。だが東京マラソンと横浜マラソンは、どうせ抽選に落ちるだろうから、申し込むだけ申し込んでみようと思う。

 一息ついて、自転車に乗って帰り道を進んだ。何で自転車で来たのか、よく分からない。たぶん電車がつまらないからだ。特に乗り換えがテンション下がって好きじゃない。駅と会場をとぼとぼ歩くのも、どうも面白みに欠ける。だから自転車でいいと思った。でも次は電車にするかもしれない。

 帰り道の自転車はきちんと漕げた。調子に乗って途中で直線を「あるるるる」と走ったら、これが意外と脚にこたえた。その後くたびれながら、多摩川河川敷をのんびり進んでいたら、下りの曲がり道で砂に車輪を取られて軽くこけた。サイクリンググローブをしていたので手をついてセーフ。チェーンが外れたので直したら両手が黒い油まみれになった。河川敷の野球場わきにある水道で手を洗ったが、油汚れはなかなか落ちない。でも、これはこれで、なんかいい。手が汚ければ箸を使えばいい。

 帰宅した。家族の反応は、どうもよく覚えていないが、自転車で会場に行ったことは呆れられた。なんかこの辺りの記憶があまりない。風呂に入って、あがってから、足指にできたマメを一個つぶした。妻が買っておいてくれた読売新聞を開くと、『多数決を疑う』に大きな書評が出ていた。とても有難いし、励みになる。Amazonランキングが総合37位まで上がっていて驚いた。

 横になってしばらく休んでいると、子供が「ミニストップに行こう」と言いはじめて、行くことになった。ちょっとめんどくさい。でも連れて行って、自分はジョージアの缶コーヒー190mlを買って飲んだ。うちの子は本当に「ガリガリ君」が好きだ。

 その日はひたすら喉が渇いた。夕食はファミレスに行って、カルピスウォーター500mlとメロンソーダ500mlを飲んだ。お茶も飲んだし、塩分もとった。それでもまだ喉が渇くので、熊本産のスイカを食べたら、冷たくて、甘かった。

 軽度の熱中症のようなものかもしれない。念のため、寝る前に経口補給水を350ml飲んで、クーラーをつけて寝た。朝目を覚ますと体中が筋肉痛になっていたが、ほかは大丈夫。熱中症にはなっていないし、筋肉痛は超回復な感じで好きだ。

 それにしても今回のハーフマラソンは、いまいちだった。暑すぎて、身体が重かった。だから、いまいちでないはずの、次の大会を探す。夏は暑いから避けるべきだろうか。熱中症になったら大変だし、国家財政的にもそんなことで医療費を使うのはよろしくない気がする。でも甲子園球児は盛夏に野球しているし、自転車のインターハイも炎天下の夏休み期間にあるじゃないかと思う。分からない。

 理性は何を選び取るのか、愚行権の行使はそれとどのような関係にあるのか、私は色んなことが、よく分からない。