月曜日の雑記

 このブログは最近多くの人がアクセスしてくれるようになりました。多数決についてのエントリーで関心を持ってもらったようです。しかしここは、私のくだらない雑記置場でもあるので、よろしければそっちも、あるいはそっちをこそ覗いてみてください。もしかしたら、たまに良いことが書いてあるかもしれません(皆無かもしれません)。

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 月曜は午前中に大手町で仕事をしている。それ自体は楽しい。機密性は特にないのだが、先方があることなので、いちおう具体的に書くのは控える。とにかく私は午前10時に皇居近くの某ビルに着かねばならないのだ。そこは東京駅から歩くと15-20分くらいかかる。今年はまだ5月なのに真夏のような暑さだ。あんまり歩きたくないし、タクシーに乗るほどでもない。

 本題に入ろう。

 今週月曜のよく晴れた朝、私は目を覚ました瞬間に、「ああ今日は自転車に乗りたい」と「お昼はとんこつラーメン食べたい」を同時に思った。ナイスアイデアには抗えない。地図を見ると片道22kmくらい。おそらく90分あれば、着替えの時間を入れても十分間に合うはずだ。つまり自宅を8時30分に出ればよい。

 朝ごはんを子供たちと食べていると、妻がやってきた。顔色が悪い。貧血のようだ。急きょ、8時15分にある子供の幼稚園の見送りを私がすることになった。ついでに犬の散歩も代わりにすることにした。私は愛妻家で愛犬家なのだわん。散歩中に犬のうんこを片付けていると、あっという間に8時35分になってしまった。

 10時に間に合うのか結構微妙だ。そもそも大手町まで自転車で行ったことは、これまでない。遅刻は厳禁だ。普通に電車に乗って行けばよいのだが、せっかくのナイスアイデアがもったいない。可能性の境界に迫るのが理論家の使命ではあるまいか。

 地図をよく眺めてみる。まず16km地点に慶應があり、そこまでの道は完全に分かる。そこから桜田通りをまっすぐ行くと皇居で、そうなると目的地はすぐだ。たぶん道は迷いようがない。間に合うだろうか。

 熟慮のすえ出てきた答えは「多摩川大橋から高輪あたりの10kmが勝負で、そこを30分で走れるとギリギリ間に合う」というものだった。

 ただし信号の多い都心で10kmを30分は、けっこう必死に漕がないと達成できない。しかし遅刻厳禁である以上、私は必死に漕ぐはずだ。最終的にはケイデンス(回転数)を上げて「くるくるくる」がすべてを解決するだろう(参考文献 渡辺航『弱虫ペダル』)。それでいい。気合上等、ヒィヒィしたいのだ。保険として、もし途中で「これは間に合わない」と思った場合、自転車を乗り捨ててタクシーに乗ることにする。 

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  そんなことを考えているうちに、8時40分になった。自転車に注油して川崎市内の自宅を出発した。まずは水面輝く多摩川大橋で、ここで8時55分。ここから第二京浜をひたすら直進して、高輪までの10kmを30分で行ければ間に合う公算が高い。

 信号運もよく、馬込・戸越・五反田と順調に進み、高輪まで30分で着けた。9時25分。そこから慶應三田キャンパスを素通りして、桜田通りを赤羽橋へ向かう。この道ははじめてだ。交通量が多くて少しこわい。ペースが落ちる。

 それでもひたすらまっすぐ進むと、霞が関あたりにたどり着き、文化庁の前を横切って、皇居を目指す。この辺りは警察が多いので、車が安全運転だ。走りやすい。そのまま風を切って進むと皇居が見えた。9時45分。皇居の外周は信号がないので、そこを軽やかに周ると、一気に大手町に着く。9時53分。少し行き過ぎてしまい、戻って、9時55分に目的地に到着した。

 IDカードで建物に入って、会場に9時58分に入り荷物を置き、トイレで一瞬で着替えて、ちょうど10時から仕事を開始することができた。有酸素運動のあとは機嫌がよくなる。なんか変な脳内物質が出ているのだ。ヒャッハーな気分で愉しく働いた。

 12時に仕事終了。次の目標はとんこつラーメンだ。スマホを持ってないし、事前に下調べしてないので、どこに店があるか分からない。でもそういうのは、調べていくものではないと思うのだ。適当に見つけて入ればいい。

 とりあえずその前に、大手町の本屋をいくつかまわって、『多数決を疑う』の扱いを観察に行った。行ったから何が変わるわけでもないのだけど。特に何も、目立ったことはなかった。フツーに並べられてるだけで、つまらん。Amazonだと101位まで上がったのは見た。ブクログの新書ランキングで1位になったのも見た。増刷もすぐに決まった。しかし街の本屋だとこんなもんですかなあ。 

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  やっぱりラーメンやめて丸の内OLが行きそうな小洒落た店に入ろうかと思った。しかし人が多い。あんましおいしくなさそうにも見える。いや、おいしいのかもしれないが、今日は当初の設定がとんこつラーメンだったので、サラダやパスタではなく、もっとインパクトのある味が欲しい。

 というわけでやはりラーメン屋を探した。自転車はラーメン屋を探す最高の相棒だ。三田の研究室を目指しながら、日比谷シャンテあたりを回廊して、店を探した。しかし、ない。まあ日比谷だからな。新橋まで行ったらあるけど、ちょっと遠回りだ。いっそ三田を目指すことにした。

 赤羽橋を通って慶應三田キャンパスに到着。自転車を停め、たまに行く近くの家系ラーメン屋に入って、食券の自動販売機で、思わず目に入った「油そば」を反射的に押し大盛りを頼んだ。ジャンクな油と太い麺の組み合わせに、ザク切りの玉ねぎを入れると最高だ。

 その後は研究室で仕事をして、暗くなる前、夕方に自転車に乗り、自宅に向かった。行きと比べると、帰りは脚が疲れているのが上り坂で分かる。実に「オレ、生きてる」な気分だ。

 少し遠回りをしてゆっくりと丸子橋を渡る。そこから多摩川沿いのサイクリングロードに入り南下。風を切り、夕焼け映る水面と川辺で遊ぶ人たちを眺めながら、生きる喜びをかみしめた。