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39歳になった話

 半年ぶりくらいに更新します。その間には投票について一般向けの本を書いていました。書き物をしているとどうしてもブログまで手が回りません。いまはドラフトが仕上がり改訂中です。年末に脱稿して4月に店頭に並ぶ予定で、脱稿したらまたお知らせします。

 さて、この夏に39歳になりました。いつもなら誕生日は特に気にしないのですが、今回は「いやあ、30代最後かよ」と軽くショックでした。最近だと私を「若手扱い」してくれるのは、70代の先生方くらいです。そして、そのような先生方を見ていると、70代で現役の研究者でいるというのは凄まじいことだなあと思います。私も70とまでは言わないけど、できれば長く書き続けたい。

 自分の場合、論文なら定理さえ揃えば(それに時間はかかるものの)比較的短期で一気に書けます。しかし本は文字数が多いので、どうしても長期戦になります。純粋に時間がかかるし、肉体労働として重いのです。資料の読み込みも含めて体力勝負になる。

 今回の本は書いている途中で、(利き腕の)左手がしびれはじめました。これはイカンと思いマッサージ屋に行くと、凝り固まった背中を触ったマッサージ師が「お客さん、左手しびれませんか」と言い当てて、ああ、これは本当にイカンのだと思いました。とにかくこのままだと自分は持続可能でない。

 というわけで、なぜか、ランニングを始めました。何となく、父親や義妹や、高校生の頃から尊敬する武田真治先生が走っているので、そうしました。

優雅な肉体が最高の復讐である。

優雅な肉体が最高の復讐である。

 

 そんで、夜間に川沿いを走っています。街の灯りがきれい。10kmの小さな月例大会に出てみたのですが、9月は52分、10月は51分でした。なかなか50分が切れません。陸上競技をやっていた人から見ると遅いのでしょうが、超文系人間の私としては、まあこれでオッケーです。タイムが上がると嬉しいですが、あまりそれを気にすると楽しくありません。それでもペースは知りたいので、GPS時計で日々の記録を取っています。

 それに付随して走る用の筋肉をちょこっと付けるようにしました。膝の負担を軽減したいのと、私のなかの三島由紀夫が私にそうしろと命じるからだ。もともと体がへなちょこなので、これは初めての経験で、なかなか楽しいです。来年の日経学会の春大会ごろには、きっとガチムチになっていると思います。

三島由紀夫の肉体

三島由紀夫の肉体

 

 靴は表参道にあるアシックスのランニング専門店で、足を3D計測してもらって、ランナーの店員さんに相談して選びました。ここは本当に親切かつ詳しくてよかったです。それと、ずっと26cmと思って26.5cmの靴を履いていた自分の足が、25cmだと分かりました。東京はすごいところだ。あと、ついでにハイテクな五本指ソックスを買ったら、長く走ってもマメができなくなりました。ランナーの皆さん的には当たり前なのか。

 そしてそういうことをやっている結果、書き物に費やす時間が激減しました。体の調子は良くなったのに。でも本当に、驚くほど、筆が進んでいない。1998年に大学院に入って以降で、生産性が圧倒的に低い日々を、最近は過ごしています。 まあ、人生にはこういう時期もあっていいかなあ、とは思うのですが。