日経ビジネスオンラインに、周波数オークションの記事を寄稿しました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140407/262522/?n_cid=nbpnbo_bv_ru
その中で「パッケージ付き同時競り上げ式オークション」について言及しています。それについて関心のある方は以下の拙稿をどうぞです。
http://www.geocities.jp/toyotaka_sakai/sakai-auction-mof1.pdf
行政側が周波数免許を、非常な安値で特定の事業者に与えるのは、実質的にはそれら事業者(とその利害関係者、与える側の一部を含む)への所得移転です。「現金」でなく「免許」なのでそれが見えづらいですが。もちろんそれで全体の社会的余剰は減ります。
ちなみに現政権の、生活保護を必要とする人への対応は、昨今、非常に厳しくなっています。また「生活保護をもらえるはずの人のうち、もらえている人」の割合は、およそ3割だけだと推計されています。過剰なバッシングを浴びる不正受給も、金額ベースで全体の約0.4パーセントに過ぎません。
周波数免許の気前良い渡し方を見ると、日本の所得再分配のバランスの悪さ(というか異様さ)がどうしても目につきます。「不正受給」を問題視するならこちらの方ではないのか。
- 作者: 湯浅誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/04/22
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