『社会的選択理論への招待』に付随して書いた論文

 本を書くときには、相当な量のサーヴェイをするのですが、そのときどうしても、既存研究のアラやヌケがいくつも見付かります。そこで仕方なく(そうしないと執筆が進められないので)自分で定理を証明するのですが、今回はそれが二本の論文にまとまりました。論文を書いていると、自分を研究者だと思えるので、精神衛生上によいです(私の場合、本だけを書いているとすり減る気がする)。

 まずは

Okamoto, N and Sakai, T. "The Borda rule and the pairwise-majority-loser revisited"

http://www.geocities.jp/toyotaka_sakai/borda1018.pdf

です。共著者の岡本君は、私の研究室の修士一年生です。一緒に定理を証明したとき、彼はまだ学部四年生でした。高い資質を持つ学生を、三年生の時から鍛えると、四年生の後半にはモノになります。

 もうひとつは

Sakai, T 「立地モデルにおける、一般意志の探索」

http://www.geocities.jp/toyotaka_sakai/Rousseau-1105.pdf

です。論文のタイトルは本来、英語なのですが、匿名性の高い査読のジャーナルに投稿しているので、何となく和訳にしておきます(レフェリーが日本人ということは、まず無いので。また、こうする義務までは無いのですが)。

 これら両論文を含めた研究成果を、11月28日に京都大学経済研究所のセミナーで発表します。

http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/~game/index.html

 最後に、社会的選択理論の学会Society for Social Choice and Welfareの第12回世界大会が、2014年6月にボストンで開かれます。私はProgram Committeeの委員を拝命しました。多くの方に参加していただけると幸いです。

http://www.unicaen.fr/recherche/mrsh/scw/

社会的選択理論への招待

社会的選択理論への招待